【未公開物件ってなに?】未公開物件を文字通りに受けてはいけない理由

未公開物件ってなに?未公開物件を文字通りに受けてはいけない理由

 

不動産を探していると一度は耳にしたこともあるであろう『未公開物件』というワード

 

ネットはもちろん電張りチラシ(ステ看)・A看、コーン看、紙チラシあらゆる不動産広告にセットで記載される未公開物件とはなんなのでしょうか?

1.未公開物件とはなにか?

未公開物件とはなにか

そもそも未公開物件とはなんでしょうか?

不動産を情報として捉えた場合、未公開物件とは文字通り情報を公開していない物件となります。

しかしながら、少し掘り下げてみてみると未公開にも情報開示の度合いにより種類があります。

 

以下、未公開物件について確認してみましょう。

1-1.市場に出ていない物件

まさしく市場に出ていない物件です。市場に出てこないと言い換えてもいいかもしれません。

市場に出ていないとは、物件調査等も完全に終わっているわけでなく、売主の『不動産を売る』という意向を受けている不動産業者が出してくる情報の事です。

居住用物件等ではあまり見かける事なく、用地や事業用ビル・収益物件等の情報が多いです。購入希望、または金額のすり合わせが必要な場合そこから始めて商談がスタートします。そもそも買手が限られるような物件は表に情報を出すことなく内々で決まるケースが多いのです。

また、実際には売る意向がない(つまり売り物件ではない)が情報として出回るという事もあります。金額が不確定であったり、ある概要書では3億で記載されていてもまたある概要書では3.5億などと記載されているケースもあります。

 

金額が時価より安い場合もあれば高い場合もあります。売値は当然のことながら売手の状況に左右されるので、千差万別です。

基本的に宅建業界に身を置いてない・もしくは近しくない人がこの辺の情報に手を出すという事はまれです。

1-2.市場に出てはいるがネット掲載していない物件

売主意向やその他の理由でネット掲載おらず内々で商談が進むような物件です。

 

レインズ掲載義務があるんじゃないの?など言われそうですが一般媒介であれば乗せる義務はありません。

また、不動産業者によっては媒介契約を結ばずに話を進める業者もいたりします。このような物件については一般の方も目にする機会がままあります。

例えば、対面、非対面問わず不動産業者に不動産購入を相談していたとすれば、希望条件をある程度伝えるはずですのでメール・紙問わず

未公開物件 の文字踊る情報が来るのではないでしょうか。

1-3.市場に出てネット掲載もしているが販売窓口が絞られている物件

ネット掲載、紙媒体掲載はしているが売主業者・販売会社が独占している物件の事です。

居住用・投資用問わず このタイプの未公開物件が一番多いです。

独占して販売するパワーがある業者であればそれでいいと思いますしそういう会社の場合はきちんと社内に販売部隊があったりします。

 

このタイプの未公開物件は販売をしている業者のサイト・ポータルサイトに飛んで会員登録しなければ見れないケースがほとんどです。

2.未公開物件のなにが魅力か?

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『未公開物件』は非常に魅力的にうつるかもしれません。

そもそも情報が広く開示されていないとすれば競合しにくいとも考えられるはずです。また、不動産業界においてインサイダー取引を取り締まるルールも設けられていません。

以下、未公開物件の魅力についてです。

2-1.不動産を情報として捉えると未公開物件が魅力的に映る不思議

正直に言いますと、不動産購入においてはほとんどの人が不動産物件情報を反復継続して閲覧・検索する事によって購入検討できるかそうでないのかを判断しています。

そもそもがその物件に問い合わせをする動機そのものを考えてみれば、ある程度の情報収集があって初めて問い合わせしているのです。

 

すると、ポータルサイトに複数登録されている物件には価値を感じなくなる事があります。

話をシンプルにするため、ここでは不動産の価格・立地・種別等、考慮しません。あくまでもただの情報として不動産を見たばあいに複数窓口から不動産広告をみると不思議な事に『この物件いろんな媒体に載ってるなぁ、売れない理由があるのかな。』という心理になるのです。(実際、細かくみていくと売れなそうな物件が多いです。)

 

また、どこかの専任物件だったとして、公開日数が長くなればそれも情報鮮度が落ちて上記と同じような心理になります。価格が間違っているとか物件購入の難易度が高い(たとえば、擁壁が絡みだったり・再建築不可)でなければ成約はすると思います。

2-2.宅建業者でさえ未公開物件を求める

宅建業者、つまり不動産買取業者は未公開物件が欲しいのです。私自身、以前不動産買取をやっていましたがレインズに掲載されている物件は相場通りもしくは相場より高いので買取目線(相場の6,7割)に合わない事が多いので、買えるとは限りませんがレインズ掲載前かつ安く買える物件を求めます。

例としては

相続・任売案件や、そもそも売主の売却目線が低い物件などは買取情報になります。

 

まれに、仲介業者の値付け間違いとみられる物件がレインズや他ポータルに掲載されるケースもありますがなかなかありません。

最近では未公開だろうが売値が高いのでレインズ掲載物件を買う業者もありますが、現在11月現在は少しずつではありますが不動産価格が下がってきているように感じます。(金額目線が合うようになってきたという事です。)

2-3.まれに掘り出し物件がある

ここでいう掘り出し物件とは利益が見込める物件の事を指しています。誰が見てもいい立地・物件の場合 相当な理由がなければ購入することは困難ですが、特殊な物件であり収益化するスキームを持っている場合、他者にとってはいい物件でなくても買手によっては掘り出し物となる物件があるのです。

居住用物件でも掘り出し物件が出ることもありますが、これも不思議なもので価格が安く、条件が悪くない物件をそれまで不動産売買に関連しなかった人が見ると『なにかある物件なんじゃないか?』や『他にもいい物件があるんじゃないか?』という心理になる人がけっこういます。

その原因として『関与度』が関係しています。

関与度とは?

 

いわゆる経済用語です。

関与度とは商品が消費者個人に対して与える購入に関しての心配や関心の度合いの事を言います。

例えば、洗剤やティッシュペーパーなどの日用品に関して、どこのメーカー・どんな品質をいちいち気にする人は少なく 特売のチラシやメルマガ等を見ると購入する動機になり得ます。これを関与度が低いと言ったりします。

反対に、車や住宅など購入する機会が上記のような商品と比較し少ないような商品に関して、消費者は購入を失敗したくないので購入前に情報を収集します。

例を挙げればキリがありませんが、住宅購入の場合でしたら購入者による以下のような調査がなされています。

  • ローンはいくら組めるのか、組めばいいのか。
  • 頭金はいくら用意すればいいのか。
  • どんな立地の物件を選べばいいのか。
  • ほしいエリアの相場はどんなものか。
  • 住宅購入で失敗するとどうなるのか。

例にとれば、一番最初に目にした物件をいきなり申し込み、購入する人は統計上少ないのです。前者に対し、これを関与度が高いと言います。

関与度が高ければ情報収集意欲は高くなり、関与度が低ければそこまで時間を割いて情報収集をしようと思わないという事です。

このように不動産は関与度の高い商品だと言えますので購入候補者にとっては相場より安い=ネガティブイメージにすらなり得ます。

大前提として売主と購入候補者では情報の着眼点が違います。この辺の話題は『不動産売却時と購入時での情報取得の違いからみる販売戦略』で触れています。

 

例えば、周辺の整形地南道路(公道4メートル以上に接道・間口も狭くない)の取引相場が坪200万程度だとして、目の前に坪130万程の同じような物件を出されると『なんかあるんじゃないか』という心理になるのです。(このような物件に巡り合うケースは少ないのですが。)

 

その場合、やはり不動産業者が買取し再販時 けっこうな金額で市場にお目見えすることになります。

3.未公開物件情報を得た時の注意点

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【未公開物件を買いたいのか】【いい物件を買いたいのか】

不動産が未公開物件化するにはいくつかのパターンがある事はご理解頂けたと思います。

そこで、現在不動産を探している方、これから探す方に注意して頂きたいのですが

未公開物件情報の取得に注力しすぎるといい物件を買い逃す可能性があります。

 

情報が広く認知されていないのは確かに重要ですし、字面まま受ければ他の人に先行してその物件を検討出来そうな気もします。

ですが、そもそも物の割に高かったり、処理が大変な物件を購入してしまったらいい買い物とは言い難いのです。

 

未公開物件探しが目的化しない為にはそもそも論ですが

自分がどんな物件が欲しくて、いくらまで出すのか?に立ち戻る方がいいかと思います。

必ずしも未公開物件がいい物件なのではなく、物件そのものを見るようにしましょう。

まとめ

  • 未公開物件と言っても本当にどこにも出ていない情報もあれば条件付きで情報が出ている物件がある。
  • 未公開物件には掘り出し物もあるがある程度、収支計算・資金計画がなければ話にならない。
  • 未公開物件の情報取得が目的化するのはよくない。

【不動産購入に関する記事はコチラ】

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