【これから不動産を売りたい人向け】首都圏不動産の不動産屋的所感

首都圏(1都三県)で営業しています。以前は担当した事ないエリアでも営業するようになり1年程経過したので、都心エリア、郊外エリアの物件売却の特徴について報告します。

1.都心の不動産

1-1.駅から近い

駅徒歩10分以内の不動産について。

実需・収益・土地 etc.

売れます。余程問題がなければ高く売れます。築が古くても高値で取引されるのでそこまで心配せず強気な値付けでもいいように感じます。

端的に言えば、バブルだなと思います。ちなみに私は不動産バブル未経験世代ですが、3年程前に都内某所で取引した土地の近隣エリア成約事例を見ると坪300万だった場所が坪400万超で取引されているのを見てバブルだなと感じた次第です。

余談ですが、満額の買付をはねられたこともあります。(もっと高く売れるはずだから受け付けないと言われました。)

 

また、利回り3%台の物件を見たのも最近になって初めてです。ただ木造AP案件については利回り上がっている傾向にあります。

1-2.駅から遠い

駅徒歩10分以上の不動産について。

実需系は注意しつつ値付け

売れますが、あまり相場から乖離した金額で売出すると苦戦します。(実需物件)

土地・収益物件についてはその限りではなく、少々高値でも売れます。(売れました。)

 

バス便系実需を扱いましたが、マンション坪100万エリアで結構販売に時間が掛かりました。値付けは間違っていなかったと思いますが売り出してみると売れる時の反響数・案内数が思ったほどありませんでした。(月に4件程度)

結果としては、同エリア内に住む人が相場通りに購入していった感じです。

用地系

AP系用地は最近まで融資がジャブジャブだったせいか売れました。今後どうなるか分かりません。

戸建用地に関しても、多少駅距離があっても購入する業者が多い印象でした。マンション用地系は触ってないので分かりません。

2.郊外の不動産

2-1.駅から近い

急行停車駅であれば少々高くても売れます。

マイナー駅の駅近物件はその限りではありません。(大胆な値付けは避けたいと思うタイプの物件です。)

急行停車駅 駅近マンション

地元ニーズを把握して値付けすれば問題ないかなと思います。タワマン・大手デべ系マンションは高く売れました。

ただ、物件の個別性があるので、地元強い系業者に聞いた方がいいのかな、というのが本音です。

戸建・土地

売れます。都心部の競合が凄まじいため、郊外エリアに進出する企業も多い印象です。やはり買いニーズを把握している地元系業者に相談した方がいいと思います。

2-2.駅から遠い

購入候補者のニーズがある程度把握できるエリアであれば、なんとか売れます。

高値で売れるかどうかは保証できませんが、媒介期限の3ヶ月以内で売ろうと考えた場合、

新築戸建て2000万円台で売出されるようなエリア

中古戸建等を販売する場合は注意が必要です。新築価格が安価で購入できるエリアにて競合するのは得策ではありません。

究極的には年収300万台でも買えますので仮に戸建を購入しようという層がいた場合は【買うなら新築】という選択肢を取る人が少なくありません。

 

例えば2680万で新築戸建てが販売されているエリアで築5年~10年程度の戸建を2380万で出してもやはりどうせなら新築という選択肢をとります。

つまり、新築物件を買えない層に対し物件をアピールする事が重要なのですが、すると1000万台中盤から後半の価格設定になりますが、残債の兼ね合い、もしくは売主自身が納得できないという状況があるのが現状だと感じます。

注文住宅系

売りにくいです。売却理由は別として、特殊な間取りや建築時に投入した資金が大きいので売値も高くというパターンはなかなか苦戦すると思います。

売らないという選択肢を取るのが一番だとは思いますが今のところ高く・素早く売る方法は思いつきません。

投資系物件:中古アパートは結構売れる

都心で億するような不動産は選択せずに中古アパート投資系のエンド(もしくは業者)が多いです。仮に全空でも解体→戸建用地・AP用地転売も見込めるのと価格ロットが3000~5000万のラインであればけっこう買手がいます。ちなみに億超えの案件(ビル・寮・ホテル案件等)は触った事がないのでわかりません。

土地小さめ 古屋付土地

いわゆる空家系案件です。こちらについては空家投資しているエンド(もしくは業者)がいるので売れない事はありませんが、調整区域・非線引きエリア系の空家はやはり買手が付きにくい(値段が付かない)事が多いです。ボロ屋再生系のエンドもいるようですが実態についてはよく知りません。

 

空家問題が本当に深刻なのだとメディアや新聞・雑誌記事で読む以上に実感したのは先日、某郊外の空家の査定に行った時の事です。

土地でやるには狭いし、再生しても借手・買手はいないなと思いました。

 

個人的には業者を間に入れずに個人間で取引できる土壌があった方がいいと思っています。仲介すると赤字になってしまうというのも理由として挙げられます。

空家いちば:空家を売りたい人が物件掲載をしている。空家を購入したい人におすすめ

最近はこのような空家取引系の掲示板もあるので売りたい人・買いたい人は是非利用してほしいです。上記空家いちばは売主の説明がけっこう丁寧だなという印象です。

3.不動産それぞれの売り方がある

売却の理由は様々個別ですが、出来るなら高く売りたいと思うのが普通です。しかしながら高く売れそうであれば売れますと言えますし、売れないなと思えば売れませんと言わなければなりません。商業系・店舗系物件は別ですが、住宅系の物件はある程度相場が周知される性質上 値付け間違いしても売れるエリア・売れないエリアがはっきりしているなという感じがします。

高値査定は売主にとってうれしいものですが、その通りに売却できる物件・できない物件と顕著に分かれています。

今回、つらつらと書いた売れる・売れないはあくまでも私の所感ではありますし、あらゆる物件全部やりますと言っているわけではないので漏れもあるかと思いますしもっといい販売方法もあったかもしれません。

しかし、査定依頼を受けて査定額を提示し残念ながら弊社ではなく別会社へ依頼された物件をあとでレインズなんかで見てみると販売期間が1年経過している物件もまま見掛けるのを鑑みるに【高く・早く売れる】とはなんだろうと疑問に感じブログを書きました。一般媒介で5社くらいに拡散して依頼しているが売れないという状況というのは結構業界あるあるなのだと思います。

自動査定サービスもありますが精度が高いんだか低いんだかよくわかりませんし、机上査定についても現地を見ないとなんとも言えないのが現状です。(測量費用やらなんやらで100万200万誤差は全然あり得ますから) このようなサービスは売主と接触する為のきっかけの為にあるサービスだと認識しています。

今回、この1年程 首都圏エリアで営業した所感として売却時の参考になればと思います。

 




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