育休問題と日本の企業文化と少子化問題

11/02/2017

「だから日本は少子化だ」三菱UFJモルガンから休職命令を受けた幹部が激白

 

こんな記事を目にしました。三菱UFJモルガン内で育休~復職→休職の流れがあったようでその幹部のインタビュー記事です。

 

これを読んでて日本の企業文化というかそれに連動した少子化問題について思う事がありました。

 

私も子どもが2人いるのですが、子供ってすぐに熱出したり、幼稚園に入れたりすると幼稚園イベントの発生によりどうやら共働きでガンガン働いてるどうにも対応できないという場面が出てきます。お父さん、お母さんのどっちかが結構時間的な余裕がないとけっこうきついって事なんです。(子供に何か起こらない事願いながらやらなきゃいけないのですがその考え自体が本末転倒だとは思います。)

 

しかしながら企業によっては育休制度を形だけ取り入れていてもその実、上記記事のごとく村八分対応で応える土壌も十分に育っていたりします。

 

そもそも有給取得する事自体が村八分に結びつく企業文化がまだ根強いかもしれず、実際に私が働いていた会社でも有給申請しただけでかなり嫌な顔をされたことがあります。そもそも、こういった文化はいつから醸成されていたものなのでしょうか。

企業共同体と空気

まず、育休から復職&パワハラ→求職のコンボについて、

日本社会の運命共同体

すでに述べたように、日本社会の構造的特色は、組織とくに機能集団が運命共同体的性格を帯びることである。官庁、学校、企業などの機能集団は、生活共同体であり、運命共同体である。各成員は、あたかも「新しく生まれたかのごとく」この共同体に加入し、ひとたび加入した以上、定年までその中で生活し、他の共同体に移動することは困難である。しかも、彼らは、この共同体を離れては生活の資が得られないだけではなく、社会的生活を営むことすら困難である。かくして、各共同体は、各成員の全人格を吸収しつくし。共同体のごとに、独自のサブカルチャーを発生せしめる。このようにして、マスコミの介在を別にすれば、機能集団としての共同体は「その中に生まれ、生活し、やがてしんでゆく」中世的共同体と著しく類似した社会学的性質を帯びるにいたる。この相違が、郊外、人間疎外などの問題についても、欧米における場合とは、根本的に異なった意味を与える。

小室 直樹著 『危機の構造 日本社会崩壊のモデル』中公文庫 1991年 137頁 より

 

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まずはこれを思い出した。そもそも上記の小室直樹氏著『危機の構造 日本社会崩壊のモデル』は1976年10月 ダイヤモンド社刊版の再刊ですから今から40年以上前に語られている事です。40年以上前から日本企業的な振る舞いは存在していたのでしょう。

昨今では働き方改革等と耳障りがいいが、そもそも労基につっこまる為に労働時間やら企業文化をいわゆるホワイト化に進めている企業も多いと思われます。しかしながら実態はどうなのだろう。

当記事を読んでいる人の中に自分が勤務している会社もなんとなく休みにくい、ひいては育休なんてとんでもないなんて人はいないだろうか?

 

上記に引用した小室直樹氏の文については近代的資本主義企業の振る舞いと対比しての日本企業論であり意味40年以上状況が変わらないとすれば近代的資本主義的振る舞いは日本人にとって食い合わせが悪いという事なのかもしれません。であれば、違う路線でやればいいのですがそれも出来ません。

 

とはいえ、育休を取得し職場復帰を妨げるの流れについてはやはり日本的であると共に共同体維持のためであるならば人間の尊厳も破壊する事に悪意がなくまたそれが共同体維持のための善意だったりするからとても恐ろしいなと思うのであります。

 

もしもある程度のリスク計算が出来るのであれば、目には見えないけどこういった空気が蔓延している環境で子供作って育てよう とはなかなか思えないでしょう。私もそう思っていました。

このような空気、ひいては文化的土壌についていかに替えていけばいいのか私は代案を有しませんが、自分自身経験した事として、また現在 子供を育てながら生きている人、これから社会を担う人にとって重要な問題であるのは間違いがありません。

みんな結婚しない、子供作らないと言われていますが、このような空気感の中、リスク抜きで子供を作るのも勇気がいる時代なのかもしれません。昔もそうだったのかも知れませんが。

 

もし、このような状況で今現在、子育てをしている人、これから結婚したい人、結婚はしたくないけど子供が欲しいひと、など もし意見を頂けると嬉しいです。私は、子供作ったらいやな顔される空気はとても嫌だと感じています。




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