郊外ニュータウンの高齢化問題

郊外の高齢化問題
郊外の高齢化問題

郊外ニュータウンで高齢人口が将来的に周辺地域よりも急速に増加/平成28年版首都圏白書

 

国土交通省は13日、「平成27年度首都圏整備に関する年次報告」(28年版首都圏白書)を策定した。

 今回の白書では、首都圏をめぐる最近の動向として、生産年齢人口(15~64歳)はすでに減少期に入り、外縁部では将来、生産年齢人口が高齢人口よりも少なくなる地域も出現するといった予測より、女性活躍の促進、高齢者参画社会の構築など、誰もが働きやすい環境づくりの推進が重要とした。
 また、郊外のニュータウンで高齢人口が将来的に周辺地域よりも急速に増加し、将来的に介護施設等の需要が見込まれる地域も同様の分布を示し、首都圏の縁辺部で空き家率が25%を超える市町村が出現すると分析。その一方では東京圏の中古住宅市場は徐々に拡大し、安全・安心な居住環境の実現のため、住み替えや空き家の有効活用、中古物件の流通促進が重要とした。

 また、訪日外客数のうち首都圏を訪れるのは約45%で、その訪問先は東京やメジャーな観光スポットに集中しており、首都圏の活力を維持するためには、新興国の旺盛な観光需要等のダイナミズムの取り込みが重要で、東京オリンピック・パラリンピック開催などの好機を生かし、インバウンド観光の首都圏全域への拡大が必要とした。

 同白書の詳細は、同省ホームページ参照。

注:(R.Eポート記事より)

 

高齢化問題

 

郊外ニュータウンの高齢化問題。

国交省作成の首都圏白書によると、

郊外ニュータウンの高齢化が周辺地域よりも顕著になる事。

高齢化に起因する中古化の流れを『安心・安全』のパッケージングにより促進しなくてはならないとの旨。

(先日お話ししたインスペクションなどはその流れです。)

 

まぁそんな事が書いてあります。

弊社の近くですと『光が丘』・『高島平』がニュータウンにあたるわけです。

 

本日も光が丘にて査定だったのでこの話題に手短に触れてみようかと。

 

 

近年、よく『安心・安全』と耳にする機会がおおいのですが、果たして安心・安全とはなんなのでしょうか?

取引においては、流通過程の透明性とか、物質的安全(耐震性とかなんとか)になるわけですが、総合して心的要因=心的習慣の問題なのではかと思うわけです。

 

ある場所に住まう行為自体に安心・安全を求めるのは当然の事として、企業、もしくは官公庁の発表する『安全・安心』と実際の安全・安心に乖離があるのではないかと思います。

 

そもそも、定住する前提で考えると重要な問題になってくるのも安全・安心です。

 

例えば、足立区=治安が悪い なんてのも過去のイメージに過ぎず、こんなに地に足のついた街もないわけです。(過去のおススメの街ランキングを参照ください。)

 

住みたい街ランキングなんかも毎年あるわけですけれども、住んだことないのに住みたいもくそもありません。さらに言えば、世田谷区=治安がいいと思っている人もいるかもしれませんがそんな事ないかもしれません。(私はそんな事ないと思っています。)

 

住みやすさに関しては、その方自身の履歴が反映されます。

高層的住居地区が好きな人もいれば 低層住居系 将又(はたまた) 調整区域系が好きな人だっているわけです。

 

ですが、住まいに関する情報取得においてはイメージが先行しがちですし、購入候補としてロックオンできる地域であればノリで購入してしまう事も事実としてあるのです。

 

果たして、購入した先の物件が住みやすいのか住みにくいのかという別は横に置かれてしまうがちです。

 

なぜこうなりがちとかというと、、、

住宅購入を出来れば失敗したくないからだと考えております。

 

先にお話し申し上げました心的習慣に起因しているのではないかと。

 

当然、住宅に関わらず、モノの購入では失敗するべきではありませんが、

殊、住宅に関してはそのモノの理解を深める為にはある程度の時間を要するのと、分かればわかる程、買わない理由が出てくるモノでもあります。

 

住宅の購入および、売却は取引の一回性が強いのですが、失敗したくないとなれば、実際の住みやすさよりも情報が先行するのも無理からぬ話です。

 

兎角、多忙な方も多い中、街を練り歩く、徘徊する、飲み歩く等、これだけの時間を割ける方もそうそういないと思います。

 

そんな中、住まい探しをしようとなれば心的習慣に頼らざるを得ません。

 

 

心的習慣とはなんでしょうか?

 

失敗したくないという気持ちです。

 

 

私個人の率直な感覚として、日本においては失敗を許さない風土があるように思えます。

失敗をしない為には事前調査、綿密な精査が必要条件になるところですが、それ以上にトライアンドエラーを繰り返す事も重要な要素だと考えております。

失敗しないに越した事はないのですが、それでも失敗は付き物です。

 

その最たるものが不動産購入に思えて仕方ありません。

 

よく不動産購入は思い切りだとか『エイヤ』と飛込み気概が必要だとか言われますが、一回性を伴うものに飛び込むもクソもありません。(離婚率も高い国ですよ。)

 

比較検討できるようになる為には非常に高コストなわけです。

 

ですので、安全・安心と謳ったところで、住宅購入というタフな選択から降りる若い人は多いんじゃないかなと思うわけです。

 

すると、定住するって意識=心的習慣もなくなるわけで、

移住は当たり前、持家っていつの時代の話ですか?なんて世代は今後出てくるんじゃないかと思います。

 

じゃあ、居住費の安い郊外でもいかが?

なんて話も出かねないのですが、何もないところが嫌なのに何もないところに住むとは現在的な価値観からは思い至らない気もします。(実際に住んだことないなら猶更です。)

それに郊外に移住したからといって、車がないといけないわけで 車の維持費だって掛かるわけです。

 

仏教的なモノは流行れど、仏教が流行らない感じに似てますかね。

 

郊外のニュータウン高齢化問題につきましても、世代間循環が思った程うまくいかなかった典型でして、

そもそも公団なんかであれば所得の仕切りがあるわけです。

 

例えば、親が公団に住んで、子育てするも、子供も成人となり所得を得れば所得の仕切りに抵触する為、子供は他の住居を探さなくてはならない等。

 

所有権付帯で購入なんてのもあり得ますが、公団・団地にイカした感じで住まうのも、普段の社会生活に求められるタフネスとは異なる種のタフネスを要求されます。

 

以上より、私個人の意見としては 如何に安全・安心を訴求しても高齢化に起因する郊外の空き家化問題は解消されないと思います。

 

現時点ではパンチのあるメリットがないからです。(消費が不安ベースである為)

 

相続系の案件でも、管理がメンドイから売るわけです。

心的習慣は明らかに変容しているに他なりません。(以前は家督問題で心的に売らないってのが在り得ました。)

 

このままですと、日本国内に住むメリットの内富裕層は海外に移住して、移る術の無い人々は増税の憂き目に遭う感じになってくると思いますので、もうちょい目に見えるメリットを提供せねばならないのではないかと思う今日この頃でした。

 

その為には、もうちょっと忙しい人を減らして外に遊びに行ける環境を作った方がいいと思うのでした。




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