不動産の売出価格は、査定価格をそのまま採用すればよいとは限りません。周辺の成約事例、物件の個別条件、売却期限、住宅ローン残高などを踏まえ、売主が最終的に決めます。高く設定しすぎても、低く設定しすぎても、売却計画に影響します。
査定価格・売出価格・成約価格の違い
- 査定価格:不動産会社が、市場データや物件条件を基に示す売却見込みの参考価格
- 売出価格:広告へ掲載し、買主へ提示する価格。売主が決定する
- 成約価格:条件交渉を経て、売買契約で合意した価格
3つの価格は一致するとは限りません。査定価格は買取保証や将来の成約を約束する金額ではないため、金額だけでなく算定根拠を確認してください。
売出価格を決めるときの5つの確認事項
1.周辺の成約価格
現在売り出されている物件の価格だけでなく、実際に取引された価格を確認します。国土交通省の不動産情報ライブラリでは、個別物件が特定されない形で取引価格や成約価格などを確認できます。
2.物件ごとの違い
マンションでは階数、向き、眺望、専有面積、管理状態、修繕計画など、土地・戸建てでは接道、形状、間口、高低差、建物状態、法令上の制限などが価格に影響します。同じ地域や同じ建物内の事例でも、単純に同額とは限りません。
3.売却期限
転勤、相続、住み替えなどで期限がある場合は、販売期間と価格調整の時期を先に決めます。期限を優先するのか、条件を優先して時間をかけるのかによって販売方針は変わります。
4.売却後の手取り額
売却価格から、仲介手数料、印紙税、登記費用、住宅ローン残高、物件ごとに必要な費用などを差し引いて資金計画を考えます。詳しくは不動産売却にかかる費用一覧をご確認ください。
5.価格交渉の余地
申込み時に価格交渉が入る可能性を考慮します。ただし、交渉を見込んで相場から大きく離れた価格にすると、比較検討の段階で候補から外れることがあります。許容できる条件を事前に整理しておきます。
高すぎる売出価格の主なリスク
- 検索条件から外れ、閲覧や内覧が増えにくい
- 販売期間が長くなり、値下げを重ねる印象を与えることがある
- 住み替えやローン返済など、予定していた資金計画が遅れる
一方で、早期売却だけを優先して必要以上に低く設定することも適切とは限りません。売却理由と期限に合った価格帯を検討します。
査定書で確認したいポイント
- 比較した成約事例と、対象物件との違い
- 現在の競合物件と販売状況
- 物件固有の加点・減点要因
- 想定する販売期間と価格見直しの条件
- 売却に必要な費用と手取り見込み
複数社の査定額に差がある場合は、「最も高い会社」ではなく、根拠を具体的に説明できるか、販売開始後の報告と見直し方針が明確かを比較します。
販売開始後は反響を基に見直す
問い合わせ数、内覧数、検討者からの意見、競合物件の成約・値下げ状況を確認します。反響が少ない原因は価格だけとは限りません。写真、説明、内覧条件、物件の課題開示なども合わせて見直します。
EXELIONでは、査定額だけを提示するのではなく、比較事例と販売方針、想定費用をご説明します。売却後の手取り目安は売却手取り計算、個別の査定は売却相談をご利用ください。
一次情報(2026年8月17日確認)
国土交通省「不動産取引価格情報提供制度」:取引価格情報の収集・提供
国土交通省「不動産情報ライブラリ」:取引価格・成約価格情報
国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」:媒介契約等の案内

